瀬戸内のオフショアジギングの醍醐味は何と言っても早い潮流に魚が乗り、暴力的ともいえるほどの魚の引きも十分味わえることです。
また、とても早い潮流の加減で、フィールドが刻一刻と変化するテクニカルなジギングです。
特にアップダウンが激しい荒い瀬に於いては根掛かりなどトラブルも多く、故に、瀬戸内を制するアングラーは何処に行っても通用すると言われるくらい難しく魅力のある特殊なフィールドであると言えます。
ここではフィールド状況に応じての、タックルセッティングと季節の違いで、いくつかのパターンを考察してみたいと思います。
①イカパターン(初春頃)
この時期に積極的に捕食しているのがヤリイカや仔イカです。あまりロングなジグは使用せず、ショートジグのグリーンやゴールド系の色に反応がいいようです。誘い方のコツとしてはゆっくりとただ巻きや、ゆっくり目のワンピッチジャーク、大きなフォール中のバイトが多いように思われます。タックルセッティングは先調子のベイトタックルが好ましく、水中でジグを飛ばさずロッドティップでジグを操作するイメージで誘うと効果があるように思います。
②イワシパターン(初春~晩秋)
初夏から晩秋にかけての高活性な時期は、ベイトがイワシ中心になります。瀬戸内はこの時期、特にシルバー系のジグが鉄板となり、ボトムから中層にかけて活発に青物も捕食活動を行っています。タックルセッティングはスピニングタックル、ベイトタックルどちらでもかまいません。ボトムまでジグを落としスローな誘いでバイトがない場合、アップテンポなジャークで誘うと効果が上がる場合もあります。この時期は表層でもナブラが見られることが多くキャスティングタックルでのプラッキングで釣果が期待できる時期でもあります。
③太刀魚パターン(晩秋~初冬)
晩秋のイワシパターンが終わり、初冬を迎えるまでの間、短い期間なのですが積極的に太刀魚を捕食している時期があります。ジグはシルバー系のロングジグ中心となり青物の反応がある層までジグを沈めデッドスローからのストップ&ゴーに反応がいいようです。
1)スピニングタックル
6.0f前後の1~3パワーのロッドが中心で4,000番台~5,000番台(DAIWA社)のスピニングリール(パワーギヤタイプ)が一般的に使いやすいと思います。道糸はPEライン3号前後、リーダーはナイロンラインで40~60lbを3~5尋がおすすめです。
2)ベイトタックル
6.3~7.3f前後の先調子で、オシアジガー(SHIMANO社)やキャタリナ・ソルティガ(DAIWA社)などのベイトリールが使いやすく一般的だと思われます。道糸は、PEライン1.5号~2.5号程度、リーダーは30~40lbを3~5尋がいいでしょう。
3)ロッドアクション
基本はワンピッチワンジャーク(ジャーキング1回にリール1回転)、まずはボトムをとり、着底後すぐにリールのベールを戻しボトムより大きく1回ジャーキングを開始します(根掛かり回避のため)反応がないようでしたら、基本の中にフェイクを織り交ぜながらストップ&ゴーなど喰わせの間を入れたりしてみましょう。
以上のロッドワークやセッティング、そしてベイトパータン以外にもまだまだたくさんのパターンが存在すると思いますが、その時期その場面に応じた釣り方を、試行錯誤しながら自分なりに楽しんで発見していくのもオフショアでのルアーフィッシングにおいての醍醐味『エンジョイフィッシング』と言うことだと私は思います。魚影の濃い瀬戸内のここ周防大島ならではのオフショアジギングで、みなさんも遊んでみてはいかがでしょうか!!